ジン事典
Volume 2

時の都アドニス編
4th SHOT「時間都市の死闘」


アドニス【Adonis】
  シェリー酒をベースにしたショートカクテル。アドニスはギリシャ神話のアフロディテ(ヴィーナス)に愛された少年の名前。
レシピ:ドライシェリー40cc、スイートベルモット20cc、オレンジビターズ1dashをステアしてカクテルグラスに注ぐ。


スクリュードライバー【Screw Driver】
 スクリュードライバーはネジ回しのこと。イランの油田で働くアメリカ人がウオッカとオレンジジュースをネジ回しで混ぜて作ったのが始まりと言われている。口当たりの割に度数が強く、レディ・キラーの別 名を持つロングカクテル
レシピ:グラスにウオッカ45ccを入れ、氷を入れる。オレンジジュースで満たして軽く混ぜる。

シェリー【Sherry】
 スペイン南部、アンダルシア地方で造られるフォーティファイドワイン。ワインにブランデーを添加してアルコール度数を上げ、樽を満杯にせずに空気に触れた状態で熟成させることにより独特の香りがある。 ちなみに女性が男性に対して「シェリーが飲みたい」と告げるのは「今夜はOKよ」というサインだと俗に言われています。

5th SHOT「黄泉の国の花」

ヴァン・ムスー【Vin Mousseux】
  ムスーはフランス語で泡。「泡ワイン」、つまり発泡性ワインのこと。英語で言えばスパークリングワイン。日本では泡の出るワインはおしなべてシャンパンと呼んでしまうがシャンパンはシャンパーニュ地方で伝統的な製法に基づいて造られたヴァン・ムスーのみが名乗れる名称。 ちなみにドイツのスパークリングワインはゼクト、スペインはカヴァ、イタリアはスプマンテと呼ばれる。

ミラベル【MIRABELLE】
  ミラベルはフランス語で黄色すもも(イエロープラム)のこと。酒名の場合はミラベルを使ったリキュール、オードヴィーを指す。ドイツ、フランスで多く生産されている。ドイツ語では同じ綴りで「ミラベッレ」になります。

6th SHOT「時間の盗み方」

エッグ・ノッグ【EGG NOG】
  卵とミルクを使ったカクテル。卵を使うカクテルと言うと違和感を感じる人が多いようだが、ピンクレディなどけっこう多くのカクテルがある。 エッグノッグはホットカクテルに作るレシピもある。
レシピ:ホワイトラム15cc、ブランデー30cc、卵1個、牛乳60cc、砂糖2tsp.を充分にシェークして氷を入れたグラスに注ぐ。好みですりおろしたナツメグを振りかける。


7th SHOT「時計じかけのブドウ」

爆弾生物ポルヴォーラ編
8th SHOT「最悪の積み荷」


サングリア【Sangria】
 ワインにオレンジやレモンジュースを搾り込み、シロップを加えて果 物のスライスを漬け込んだスペインの国民的ドリンク。フレーバードワインの一種。出来合いのもの(リアル・サングリアが有名)も売られているが、やはりフレッシュフルーツを漬け込んで造るのが一番旨い。 白ワインベースもあるが、酒名(スペイン語で出血を意味する「サングル」が語源と言う)を考えればやはり赤が正道。作中ではスペルを「太陽」をイメージさせるSungriaにしてあるようだ。
レシピ:広口ビン(梅酒用のものなど)に辛口のワイン(赤・白は好みで)1本、砂糖50g、ブランデー30cc、あればコアントロー30ccを加え、りんご・オレンジ・レモン・グレープフルーツ等のスライスを漬け込んで冷蔵庫に入れておく。柑橘類の苦味や農薬が気になる人は皮をむいておくと良い。 2日め位から飲め、果物を取り除いてボトルに移して冷蔵庫に入れておけば1ヶ月くらいは保存出来る。


ゴブレット【Goblet】
  脚つきのグラスの一種。フランス料理店でよくお冷や用に使われている。ソフトドリンク、ビール等にも用いる。

ジュピター【JUPITER】
  マティーニのバリエーションカクテルの一つ。
レシピ:ドライジン60cc、ドライベルモット30cc、バイオレットリキュールとオレンジジュース各1tsp.をシェークしてカクテルグラスに注ぐ。


9th SHOT「灼熱の記憶」

イザラ【IZARRA】
 フランス西南端に近いバスク地方バイヨンヌの町で造られる薬草系リキュール。イザラはバスク語で「星」の意味。文豪ヘミングウェイが愛飲したことで知られている。シャルトリューズ系の薬草酒でシャルトリューズと同じくイエローとグリーンがある。シャルトリューズに比べると洗練味は無いが、力強い薬草の香味がくせになる良酒。 残念ながら現在輸入されていない。

10th SHOT「太陽の女神」
11th SHOT「涙の国」


シャルトリューズ【CHARTREUSE】
  リキュールは中世、錬金術の産物である「生命の水」スピリッツを用い、生命維持の秘薬として生まれた。高貴な薬草を入手出来る資力、研究に専念出来る環境があったのがキリスト教団であり、「リキュールの女王」と呼ばれるシャルトリューズは1764年にフランスのカトリック会派カルトジオ会のラ・グランド・シャルトリューズ修道院で130種類の薬草を使って生み出された。 現在生産は民間会社に委託されているが、薬草の配合は今でも3人の修道士のみによって秘密裡に行われていると言う。 シャルトリューズにはスパイシーな味わいのグリーンとはちみつの香味がまろやかなイエロー、それぞれの熟成物のVEP、長寿の秘酒と言われるエリキシル・ヴェジェタル(71度もある強烈なリキュール)がある。

タンブラー【Tumbler】
  ハイボールグラスとも言われる背の高い円筒形のグラス。ソフトドリンク、ロングドリンクに使われる。 8オンスタンブラー(8タン・240cc)、10オンスタンブラー(10タン・300cc)がよく使われている。タンブラー(転がるもの)の語源は昔ヨーロッパで動物の角を酒杯として使っていた名残(先が尖っているので置くと転がる)ことから来ている。