ジン事典
Volume 5
「楽園のこどもたち」編
1st SHOT 「楽園のこどもたち前編」

キュンメル【Kummel】
  キュンメルとはドイツ語でキャラウェイ(ひめういきょう)のこと。キュンメル・リキュールはキャラウェイを主にアニスやクミン、レモンピールなどで香り付けをした無色透明の甘い薬草系リキュール。帝政ロシア時代、オランダを訪問したピョートル大帝がこの酒を大いに気に入り、製法をロシアに持ち帰ってバルト海沿岸のリガのアラッシュ荘園で造らせたのがアラッシュ・キュンメル。現在はオランダ・ドイツ・ベルギーなどで生産されている。

ツァリーヌ【Czarine】
 CzarineとはCzar(ツァー)のフランス語女性名詞で、帝政ロシア時代の皇后のこと。やや甘口のショートカクテル。
レシピ:ウォッカ30cc、ドライ・ベルモット15cc、アプリコット・ブランデー15cc、アンゴスチュラ・ビターズ1dashをステアしてカクテルグラスに注ぐ。

スレッジ・ハンマー【Sledge Hammer】
 スレッジ・ハンマーとは両手持ちの大きなハンマーのことで、このカクテルのキックの強烈さを表している。ギムレットのベースをジンからウォッカに変えたカクテル。
レシピ:ウォッカ50cc、ライムジュース10ccをシェークしてカクテルグラスに注ぐ。

タワーリシチ【Tovarisch】
 タワーリシチは同志・仲間と言った意味のロシア語。ソビエト連邦時代、共産主義者達が互いを呼ぶのに好んで使った表現。中口のショートカクテル。
レシピ:ウォッカ30cc、キュンメル15cc、ライムジュース15ccをシェークしてカクテルグラスに注ぐ。

2nd SHOT 「楽園のこどもたち後編」

神脳都市ラスティネイル編
3rd SHOT 「つぎはぎの街」


ラスティネイル【RUSTY NAIL】
 カクテル名は「錆びた釘」の意味(おそらく色合いからつけられたもの)。ウィスキーベースのリキュール、ドランブイ(事典Vol.4色彩 都市編参照)を使ったやや甘口のカクテル。ただし度数は40度以上ある。バリエーションに同じくウィスキーベースのリキュール「アイリッシュ・ミスト(アイルランドの霧)」を使ったミスティ・ネイルがある。
レシピ:氷を入れたオールドファッションドグラスにウィスキー30ccとドランブイ30ccを注ぎ、軽くステアする。最近はウィスキーを多めにしたレシピで作られることが多い。


シンルーチュウ【杏露酒/Shin Lu Chu】
 日本で一番人気のある中国酒だが、実は日本で造られている。杏(あんず、アプリコット)の果 肉と蜂蜜を原料としており、口あたりと香りの良い女性向け・初心者向けのリキュール。オンザロックスやソーダ割りがポピュラー。

ウーリャンイエ【五粮液】
 中国の蒸留酒である白酒(パイチュウ)の銘酒。ごりょうえき。揚子江上流の名峰、峨眉山の南に位 置する宜寶に産し、コウリャン、餅米など5種の穀物を原料とすることから命名された。度数52度と強烈で、一時は日本での入手が難しく幻の名酒としてもてはやされた。現在も中国酒としては高価な酒である。

4th SHOT 「神ののうみそ」

スピリタス【SPIRYTUS】
 アルコール度数96度というポーランド産のウオッカ。世界最強の酒と言って良い。むしろ酒というより精製アルコールに近い代物。もちろん豪快に燃えるので火気厳禁。ウオッカならではのクリアーな旨味のある酒では無いが、これをベースにしたスクリュードライバーなどは女性にとって最も注意すべき飲み物(レディキラー)になる。

5th SHOT 「然根街の貴婦人」

ブラッディ・シーザー【Bloody Caesar】
  ブラッディマリーのバリエーションカクテルの一つで、トマトジュースの代わりにクラマト・ジュース(Clamato Juice、トマトとあさりのエキスをミックスしたジュース。クラム+トマト。一応輸入はされているが、置いているバーは少ないだろう)を使ったもの。好みでウスターソース、タバスコ、セロリソルトなどを加えて飲む。日本人の感覚ではカクテルというよりトマトの冷製スープに近いかもしれない。
レシピ:氷を入れたグラスにウオッカ45ccを注ぎ、クラマトジュースで満たしてステアする。


6th SHOT 「聖体配授術の力」
7th SHOT 「34人の追跡者」
8th SHOT 「自由という名の特効薬」
10th SHOT 「裁決の終わり」
11th SHOT 「裸形の世界」